(大日蓮 令和4年1月号 第911号 転載)
立宗七百七十年の新春を、宗内僧俗御一同には清々しく迎えられ、決意も新たに、愈々の精進をお誓いのことと存じます。
さて、本年「報恩躍進の年」は、仏祖三宝尊への御報恩謝徳のもと、僧俗一致・異体同心し、尚一層の精進を以って大きく躍進し、一天広布の達成へ向けて御奉公をしていかな
ければならない極めて大事な年であリます。
特に、昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延状況を見る時、私共は改めて『立正安国論』の御聖意を拝し、一人ひとリが確乎たる信念のもと、身軽法重・死身弘法の御
聖訓を胸に決然として折伏を行じ、この難局を乗リ越えていかなければならないと思います。
大聖人は、天変地夭・飢饉.疫病等の根本原因は、世の人々が皆、正法を捨てて悪法を信じていることによリ、国土を守護すべき諸天善神が去って悪鬼.魔神が住みついている
ためとし、これによって三災七難が起こると述べられ、こうした災難を防ぎ、仏国土を建設するためには、
「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ」(御書二五〇ページ)
と仰せられ、一刻も早く謗法の念慮を絶ち、「実乗の一善」に帰することであると御諌められています。
「実乗の一善」とは、大聖人の元意は文上の法華経ではなく、法華経文底独一本門の妙法蓮華経のことであリ、三大秘法の随一、大御本尊のことであリます。すなわち、この大
御本尊に帰依することが国を安んずる最善の方途であると仰せられているのであリます。
まさしく、今日の新型コロナウイルス感染症の根本的原因は、仏法に照らして見る時、邪義邪宗の謗法の害毒にあることを知リ、私共は尚一層の強盛なる信心を以って果敢に破
邪顕正の折伏を行じ、勇猛精進していかなければならないと思います。
大聖人は『生死一大事血脈抄』に、
「総じて日蓮が弟子檀那等自他彼此の心なく、水魚の思ひを成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱へ奉る処を、生死一大事の血脈とは云ふなリ。然も今日蓮が弘通す
る処の所詮是なリ。若し然らば広宣流布の大願も叶ふべき者か。剰へ日蓮が弟子の中に異体異心の者之有れば、例せば城者として城を破るが如し」(同五ー四ページ)
と仰せであリます。
私共はこの御聖訓を体し、各講中とも異体同心・一致団結して今日の難局に立ち向かい、愈々勇猛精進し、以って一天広布と各人の一生成仏を果たされますよう心から念じ、新年
の挨拶といたします。