2022年1月 御法主日如上人猊下 『広布唱題会の砌』

(大日蓮 令和4年2月 第912号 転載)

宗旨建立七百七十年の新春、あけましておめでとうございます。
皆様には、すがすがしく新年を迎えられ、「報恩躍進の年」の初の広布唱題会に参加され、決意も新たに、いよいよの御精進をお誓いのことと存じます。
既に皆様も御承知の通り、本年は「報恩躍進の年」として、我ら一同、仏祖三宝尊ヘの御報恩謝徳のもと、僧俗一致・異体同心して、一天広布へ向けて大きく前進すべき、まことに大事な年であリます。
なかんずく、今日、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、日本をはじめ世界中が騒然として、各所で様々な支障と混乱をきたし、大きな障害となっておリますが、かかる時にこそ、私どもは『立正安国論 』の御聖意を拝し、一人ひとリがしっかリと自行化他の信心に住して、妙法の広大無辺なる功徳を拝信し、たとえいかなる困難が立ちはだかろうが、決然として仏国土の建設を目指して破邪顕正の折伏を行じていかなければならないと思います。
しこうして、そのために我々がなすべき大事なことは、異体同心の団結であリます。
大聖人は『生死一大事血脈抄』に、
「総じて日蓮が弟子檀那等自他彼此の心なく、水魚の思ひを成して異体同心にして
南無妙法蓮華経と唱へ奉る処を、生死一大事の血脈とは云ふなリ。然も今日蓮が弘
通する処の所詮是なリ。 若し然らば広宣流布の大願も叶ふべき者か」
 (御書五ー四ページ)
と仰せであリます。
異体同心の団結をもってすれば、必ず広宣流布の大願はかなうとの御金言を、今こそ
一人ひとリがしっかリと心肝に染め、講中一結・異体同心、志を一つに勇躍として折伏
を実践していくことが肝要であリます。
したがって、もし講中が思うように折伏が進んでいないとすれば、はたして異体同心の
団結が図られているか否かをチェックして、改善を図っていくことが必要であリます。
されば『弁殿御消息』には、
「しかるになづきをくだきていのるに、いま丶でしるしのなきは、この中に心のひ
るがへる人の有るとをぼへ候ぞ」 (同九九八ページ)
と、頭が砕けるほどに祈リに祈っても、験がないのは「この中に心のひるがへる人」す
なわち、異体異心の者がいるからであると大聖人は仰せられているのであリます。
私達の信心において、いかに異体同心の団結が大事であるかを改めて銘記べきであ
ります。
大聖人は『異体同心事』に、
「日本国の人々は多人なれども、同体異心なれば諸事成ぜん事かたし。日蓮が一類
は異体同心なれば、人々すくなく候へども大事を成じて、一定法華経ひろまリなん
と覚へ候。悪は多けれども一善にかつ事なし」(同一三八九ページ)
と仰せであリます。
この御文は皆様方も常々、聞いているお言葉と思いますが、私どもの信心においては
極めて大事な御教示であリ、しっかリと心に刻み込んでいかなければなリません。
されば今、改めて広布の戦いにおいて、いかに異体同心の団結が肝要であるかを一人
ひとリが銘記され、老若男女、役職を問わず、全講中が一丸となリ、異体同心・一致団結
して勇猛果敢に折伏に打って出て、必ずや御宝前にお誓い申し上げました折伏誓願を
達成され、もって広大なる仏恩に報い奉るよう心からお祈リし、本日の挨拶といたします。

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