2020年2月 御法主日如上人猊下 『広布唱題会の砌』

▼そもそも、御本仏宗祖日蓮大聖人様の末法御出現の目的は、末法の一切衆生をして等しく成仏せしめるためであります。その御本仏大聖人様の御遺命を今に正しく継ぐ者こそ、まさしく我ら日蓮正宗の僧俗であります。▼特に今、濁世末法の世相そのままに、人心は極度に混乱し、民族間の争いが絶えず、あるいは新型コロナウイルスの流行など、騒然とした様相を呈し、先の見えない状態であります。こうした混迷を極める人心を救済し、真の幸せを築くためには、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様の教えをもってする以外にはないことをそれぞれが銘記し、なお一層の精進をもって折伏を行じていかなければなりません。(中略)つまり、末法は三大秘法の南無妙法蓮華経が広宣流布すべき時であり、この時は爾前権教はすべて実教すなわち、正法の敵となるため、三大秘法の立場からこれら爾前権教を責めなければならないと仰せられているのであります。▼されば、大聖人様は『聖愚問答抄』に、「経教のおきて蘭菊に、諸宗のおぎろ誉れを擅にし、邪正肩を並べ大小先を争はん時は、万事を閣いて謗法を責むべし、是折伏の修行なり。此の旨を知らずして摂折途にはゞ得道は思ひもよらず、悪道に堕つべしと云ふ事、法華・涅槃に定め置き、天台・妙楽の解釈にも分明なり。是仏法修行の大事なるべし」(御書 四〇二㌻)と仰せであります。▼つまり、末代濁悪の世となると、人心が乱れるから世の中が乱れ、世の中が乱れると、それが広く国土世間に及び、旱魃、疫病、大雨、大風等の異変が起き、それがまた原因となり、悪循環して、ますます人心が乱れ、世の中が乱れ、骨肉相食む悲惨な様相を呈し、一国が皆、無間大城の苦しみを受けることになると仰せられているのであります。▼では、人心が乱れる最大の原因は何かと言えば、間違った思想や考え、すなわち邪義邪宗の謗法の害毒によるのであります。故に『秋元御書』には、「謗法の者其の国に住すれば其の一国皆無間大城になるなり」(同 一四五〇㌻)と仰せられているのであります。▼まさに、恐るべきは謗法であります。この謗法を対治し、折伏を行じていかなければならない大事な理由が存しているのであります。▼大聖人様は『阿仏房尼御前御返事』に、「相構へて相構へて、力あらんは謗法をばせめさせ給ふべし」(同 九〇七㌻)と仰せであります。▼私どもはこの御金言を心肝に染め、けっして忘れることがあってはなりません。▼されば、御命題達成の本年、一人ひとりがこの御金言を心肝に染め、謗法の害毒によって不幸に喘ぐ多くの人々に対し、大慈大悲の心をもって折伏に励み、法華講員八十万体勢構築の誓願を達成しなければなりません。▼大聖人様は『一念三千法門』に、「百千合はせたる薬も口にのまざれば病も愈えず。蔵に宝を持てども開く事を知らずしてかつへ、懐に薬を持ちても飲まん事を知らずして死するが如し」(同 一一〇㌻)と仰せであります。▼信心とは実践であります。特に、今月は末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様の御誕生の月であります。▼この時に当たり、どうぞ皆様には、この御金言を忘れず、本年は必ず全国の全支部が一支部も残ることなく、折伏誓願を達成されますよう心からお願いいたしまして、本日の挨拶といたします。

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