広布唱題会の砌

四月度 広布唱題会の砌

さて『諌暁八幡抄』を拝しますと、「今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月廿八日より、今年弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし。只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり。此即ち母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり」(御書 一五三九㌻)と仰せられ、久遠元初の御本仏宗祖日蓮大聖人が末法に御出現あそばされ、宗旨を建立された目的は、煩悩・業・苦の三道に苦しむ末法の一切衆生に、母が赤子を慈しむような大慈悲心をもって、南無妙法蓮華経の大良薬を与えてくださるためであると仰せであります。▼さらに『報恩抄』には、「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教・天台にも超へ、竜樹・迦葉にもすぐれたり」(同 一〇三六㌻)と仰せられ、南無妙法蓮華経の広大無辺なる功徳は、ただ御在世のみに止まらず、末法万年のほか、尽未来際に至るまでにも及び、一切衆生を救済あそばされると仰せであります。▼されば、私どもはこの一切衆生救済の大法を、日本はおろか全世界の一人でも多くの人々に伝え、いよいよ妙法広布に尽くしていくことが肝要であります。▼大聖人は『聖愚問答抄』に、「今の世は濁世なり、人の情もひがみゆがんで権教謗法のみ多ければ正法弘まりがたし。この時は読誦・工夫・修練も無用なり。只折伏を行じて力あらば威勢を以て謗法をくだき、又法門を以ても邪義を責めよとなり」(同 四〇三㌻)と仰せであります。▼まさしく、権実雑乱した濁世末法の今の時こそ、一切衆生救済の秘法たる妙法蓮華経の広大無辺なる功徳を、一人でも多くの人に説き、折伏を行じて行くことが、御本仏大聖人の御意にかなう最善の途であると知るべきであります。▼大聖人は『立正安国論』に、「早く天下の静謐を思はゞ須く国中の謗法を断つべし」(同 二四七㌻)と仰せであります。▼邪義邪宗の間違った教えは個人を無間大城に堕とすのみならず、一国をも、また世界をも地獄に堕とすと言われています。されば、この邪義邪宗の謗法を対治し、塗炭の苦しみに喘ぐ人々を救っていくのが我々の大事な役目であります。▼今、宗門は僧俗一致・異体同心して、来るべき令和三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築の誓願を達成すべく、日夜、精進しております。▼特に、今日の如き、新型コロナウイルスによって混沌とした現状を見る時、今こそ本宗僧俗は、安穏なる仏国土実現のため、『立正安国論』の原理に基づき、一人でも多くの人に妙法の広大なる功徳を説き、もって一天広布を目指して精進していくことが最も肝要であろうと存じます。▼皆様方にはこのことを銘記され、いよいよ自行化他にわたる信心に励まれますよう心からお祈りし、本日の挨拶といたします。